ギラン城の村に訪れる暖かな昼下がり。
みな狩を休止し、思い思いの時を送っていた。
私もそのような中、
露店を巡りながら、この地に初めて訪れたことを思い返していた。
グルーディオ城の村に集う人の多さに恐れをなして、
故郷へ逃げ帰ろうと財布を手繰ったとき、
里に帰るだけの路銀がなく、泣く泣く歩いて里を目指したあの日。
道を挟む魔物の群れが、そのどれもが
自分を一撃で葬ってくれるような凶悪さを感じ取り、
怯えながらの行軍だったことを記憶している。
その後も、ディオン、ギランと衝撃は加速しながらも続く。
己の幼さを痛感し続けた日々。
いまこうして悠々とギランの村を歩く自分が
あまりにも滑稽に思える瞬間だ。
「思い出し笑いする黒いのミッケ^^」
ホゥーっとばかりに気勢を上げながら、
テクが駆けてきた。
「やぁ。昔のことを少しね。」
「ふむふむ^^ その話は狩の中で、ゆっくり聞こうか^^」
私の手をとると、さぁ、行こう!と走り始める。「オイオイ」
・・・・・・・・・・聞いちゃいない。
ギランから、オーレンを超え、象牙の塔を超え、
無法者の森と呼ばれる地につくまで、
なんだかんだと、話は尽きなかったのだが。
「こんにちわ^^」
クラン間の伝心を通して来客が通じられる。
魔法というのは便利なものだと感じる時でもある。
「メグ姐!象牙北、カモン^^」
早速とばかりにテクは彼女を呼び寄せる。
「はい^^」呼ばれるほうも二つ返事と気持ちが良い。
待ち合わせすること10数分。
「おまたせ^^」「やぁ。」「問題ない^^」
三者三様の挨拶を交わして、森の奥へと進んでいく。
「メグ姐、グラ砲でFAよろしく^^」「いいよー」
前衛職の打ち合わせも軽く済ませて、そろった所で、戦闘開始。
気合と共に、文字通り【弾丸】が放たれる。
Gladiator。古の言葉が【剣を使う者】と示す。
その言葉が表すように、巧みに2刀を使う様は
華麗といっても良かった。
言葉少なに、次々と獲物を探しては
グラ砲と称された弾丸と神速の三連撃を決めていく。
「うーん^^ 余裕余裕・・・お!」
テクがその脇を抜けながら、
素材回収に暇無しと思いきや何かを見つけた様子。
「おいしい獲物見っけ^^ フッフフフ^^」
「ん?」「どうした?」
取り残された間のある二人がいぶかしむ。
「あいつやるよ、エスっちヒールよろ^^ 合図するまでみてな!」
ホゥーっとばかりにいつもの気合。
そのまま、一匹のオルマフムへと飛び込んでいく。
まぁ、ヒールといっても少々強いオルマフム程度に
アスラネイルを付けた彼女が
遅れを取ることなどないだろうと高を括る。その時だった!
「愚か者めが!今まで手を抜いていただけだ!」
変化?!細身のオルマフムが巨大な鎧を羽織る。
「まだまだ!」テクは手を緩めない。
もちろん、かの者の攻撃力も向上している。
ヒールの回数が嫌でも増加する。
「手を貸す?」「いらね^^」
メグ姐の言葉にしらっと答える。
そこで、さらに声が響く。
【まだ楯突くか。
ならば私の本当の力を見せてやろう!】
オルマフムがオエルマフムへと進化する!
「いまだ!メグ姐、主砲発射!」「はい! (って、なんで主砲?!)」
気合と共に放たれる弾丸。うまい!止めに届くか?!
そう思った私を、さらに威厳のこもった声が襲う。
【なるほどな。その戦術に敬意を表し、
我の200%の力を持って相手をしてやろう。】
みるみる姿を小さくしていくオルマフム。
いや、オルマフムよりも更にスリムになった姿は
更なる敏捷性と脅威的な攻撃力を兼ね備えていた!
「エスちゃ、メグ姐、気ぃ抜くなぁ! ここからが勝負だ!」
「OK」「はい!」 オルマフムトライセント。
噂は聞いていたが、これが3段変身する突然種か。
ようやくしとめたが、三人とも疲労困憊といったところか。
「ふひー、うまうま^^」「やったね^^」
「とんだ獲物だ。こちらが餌食になりかねん。」
ニヒ^^そんな音が響きそうな笑顔を称えて、
テクが再び立つ。
「次行くべ^^」
「はい」「了解。」
諦めたとわんや、乗りかかった船といわんや。
颯爽とかけていくドワーフの娘の後ろを追いかける二人。
「まぁ、こういうのも悪くはないな。」
呟いた私に小さく笑みを浮かべる戦士。
狩はその緩急に影響をうけることなく
ゆっくりとした時間の中で進むのだった。
この後、とあるメンバーの一人が、合流を狙って北上。
誤ってモンスタのリンクを作ってしまい、
志半ばで合流に失敗してしまうハプニングがあったのだが、
それは「かの者」の名誉にかけて不問に処す。
・・・・w リザしに行ったのは言うまでもない。
次回XJUNEX外伝 第4話:【ひと時の別れ】
「じゃーね^^」
「また、遊びにおいで^^」
「まぁ、うちは垣根低いからさ^^;」
「ニヒヒヒ^^
(いや、あんたは戻ってくるよ、キットね^^v)」
乞うご期待^^;
ギラン城の村に訪れる暖かな昼下がり。
Close.△